FA出しちゃった。

【IT Service Forum 2007】「摺り合わせ文化など日本には日本の良さがある」,国内SIベンダーの強みを力説
つっこみどころがいろいろってのはおいといて、最後の一言が強烈だと思った。


シリコン・バレーと同じことをしていたら,日本は他国に勝てるわけがない。逆に,日本独自の世界でなら,他国に負けるわけがない」
他国に負けるわけがないのは言語障壁の問題が大きい(はず)。
それすらも本来はこうしたいっていうのをモックアップなりUMLなり使って
コミュニケーション取れば割と超えられるもんじゃないのだろうか。
まあ、一番の問題はSIerに依頼するユーザ企業側にリテラシ向上が見られない
人たちが一部いるということかなとも思う。SIerは悪くないとかそういうことを
言っているのではなくて。ぶっちゃけると「よきにはからえ」でなんとかなると
本気で信じているクライアントに会ったことがある。
無論、「あなたがやりたいことは、あなたが一番よく知っている(はずです)」
なわけで。そういったとこまで放り投げる人が今まで結構な数いたからSIer
それっぽく成り立っていたという暴論も一部では正しいのではないか。
元々ユーザ企業のシステム部門のコーディング仕事のアウトソースというのが
現在のSIerのベースだったわけで、以来ユーザ様のやりたいことはこうである、と
とりあえず定義してそれっぽくなんかいろいろ作って、考えてたんですよという
担保のためになんかの役に立つのかわからない紙の束を大量生産してあとは無限
連鎖の下請け地獄。管理するために管理してみたいな感じになってきた。

それじゃ世界と戦えない、昔もてはやされたグローバルスタンダードとやらの
ビジネススピードには追いつけないよ、ということに気付き始めている人はもう
随分いるはずだ。そのスピードの原動力がITと呼ばれる技術で、それをベースにした
システムだった。だからこのままSIerのペースに任せてていいの?という疑問も出て
くるわけで。

ゆり戻しの兆候は21世紀に入った頃から少しずつ出てきていた。下に投げまくっていた
SIerは一部で内製化を進めだし、もう一歩進んでいるユーザ企業は自前のシステム部門
の強化を始めつつあった。まだ日本全体としては動きがそれほど大きくないように見え
るけど、遅かれ早かれな問題でもある。いろんなところで日本と世界(海外)の差を
指摘されていると思うけど、いい加減意識しなきゃ。
「うちは違うから」で済まなくなった頃には潰れるんじゃなかろか。
日本だけでもそれなりのビジネスとして成り立っていられるから大丈夫と
言っているだけであって、いずれ外のパイも取りに行かないと成り立たなく
なったらその瞬間に終わってしまうとしか思えない。

ユーザ企業が変わればSIerは変わらざるを得ない。前掲のような発言を平然と
行えるSIerは生まれからしてユーザ企業に支配されていて、結局自発的に変
わる力を持ち得ないように見える。
であれば親であるべきユーザがしつけをしないとこのままグレた子になってしまうだろう。